2018年11月5日(月)〜11月6日(火)は、福岡県議会「厚生労働環境委員会」の岡山県内視察でした。

 以下のとおり、視察報告を行います。

1.日程

 2018年11月5日(月)〜11月6日(火)

2.視察先

 [1日目]
  (1)「水島エコワークス株式会社」(倉敷市水島)
  (2)「水島コンビナート」2次仮置き場(倉敷市水島)
 [2日目]
  (1)岡山市「岡山市役所」
  (2)岡山市「旭川荘 障害者支援施設 吉備ワークホーム」

3.視察報告:1日目

 11/5は、本年7月発生の「西日本豪雨災害」の災害廃棄物対策について、その処分状況を視察しました。

 今回の「西日本豪雨災害」では、岡山県と広島県の両県だけで240万トンの災害廃棄物・ゴミが発生しており、これは全国の一般廃棄物の18分の1にあたる量です!

 災害からの復旧を進めるためには、被災地から出る大量の災害廃棄物・ゴミを、一日も早く処理することが求められています。

 岡山県倉敷市水島の「水島コンビナート」の埋め立て地の一角に、これから20万トンの災害廃棄物が運び込まれ、分別し、焼却、埋め立て、リサイクルの処理を行います。

 今回視察した「水島エコワークス株式会社」は、倉敷市内の一般廃棄物、水島コンビナート企業などからの産業廃棄物、そして災害ゴミを「サーモセレクト方式ガス化溶融システム」の焼却施設で処理しています。


 災害廃棄物・ゴミの処理は、まさに今から始まります。

 今回視察した「水島エコワークス株式会社」、岡山県環境保全事業団「水島処分場」では、こうした課題に答える施設です。

 次に視察したのは「水島コンビナート」内にある埋め立て地です。

 ここでは、倉敷市内及び「水島コンビナート」内の企業から出る産業廃棄物の埋め立て現場と、今回の「西日本豪雨災害」で発生した災害廃棄物処理のための2次仮置き場を視察しました。

 前述のとおり、ここには20万トンの災害廃棄物が運び込まれ、処理が行われますが、いまから搬入がはじまり、そして、機材の設置、分別、焼却、埋め立て、リサイクルとなります。

 本県では、「2017年九州北部豪雨」発生からの1年が過ぎましたが、災害廃棄物の量は災害廃棄物の総量は5万4,278トン。それとは別に流木が23万4千立米となっており、現在も処理が続いていますが、最終処理にはまだ時間がかかります。

 今回「2018西日本豪雨」災害で発生した災害廃棄物は290万トンにも上るため、処理が終わるには、4〜5年はかかると推測されます。

 本県の「2017年九州北部豪雨」災害廃棄物処理の経験と実績を、「2018西日本豪雨」災害廃棄物の処理に活かせるよう、県執行部にしっかり働きかけを行います。

4.視察報告:2日目

 福岡県議会「厚生労働環境委員会」の岡山県内視察2日目(11/6)は、以下の通りでした。

 (1)岡山市「岡山市役所」

 岡山市では、国の特区を活用した新たな介護保険事業の取り組みを進めており、今回はその内容について視察、研修しました。

 2009年4月1日、新潟市・浜松市(2007年4月移行)に続いて全国で18番目、中国・四国地方では広島県広島市に次いで2番目となる政令指定都市に移行し、北区・中区・東区・南区の行政区が設置されています。

 岡山市は人口72万人、中国地方では広島市に次ぐ第2の都市です。

 2016年1月から国の総合特区指定「岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区〜AAA(エイジレス・アクティブ・アドバンスト)シティおかやま〜」を受け、国に11事業を申請、そのうち、市が指定の介護機器を利用者負担1割に軽減し貸与する『介護機器貸与モデル事業』をはじめとする5つの事業が採択され、実施しています。

 特徴は、「在宅に特化した持続可能な社会経済の構築」

 第1期は2013〜2017年度の5ヵ年で、現在は第2期として2018〜2022年度までの5年間の取り組みが進められています。

 (2)岡山市「旭川荘 障害者支援施設 吉備ワークホーム」

 獣害駆除されたイノシシの皮を利用した商品の開発、製造、販売に取り組み、「農・福・商工連携」の取り組みとして全国から注目されています。

 同ホームは、1980年4月重度身体障害者授産施設として開設。『障害者自立支援法』施行に伴い2007年4月より、障害者支援施設として就労移行支援・労継続支援B・生活介護、入所支援の事業を展開しています。

 キャッチフレーズは「働く、暮らす、活き活きと」で、障害があるために一般就労が困難な利用者さん約40人が、製品作りや軽作業を通して知識・技能を習得、自立に向けて頑張っています。

 製品の中で注目を集めているのが「KIBINO」ブランドです。これは岡山県吉備中央町で有害獣として捕獲し、廃棄されていたイノシシ皮を有効活用した革製品です。

 素材の切断やグラフィックデータを彫刻・刻印できるレーザー加工機を導入し、新規業務の受注とともに、製品開発にも力を入れています。

 このほか、ちらしや名刺などの制作・印刷をはじめ、箱折り、袋詰め、ボルト・ナットの組立てなどの仕事も請け負うなど、利用者の工賃アップに取り組んでします。